食育と植育のブログ

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有機農家

「米作りは一生で50回」新潟の有機農家に教わった仕事の覚悟と、カゲロウの羽化

2009年3月、叔父から依頼された液肥を畑や水田でテストするため、知り合いの農家を訪ねました。最も多くを学んだのは、新潟県田上町で有機栽培を実践している小林さんでした。
快諾してくれると思っていた私に、小林さんは「米作りは1年に1回、一生かけても50回もできればいい。そのうちの1回を試してくれと言うからには、責任を取る覚悟はあるのか」と問いかけました。自身の考えの甘さを突かれ、私は一瞬言葉を失いました。
叔父の応援という曖昧な態度ではなく、私の真剣さが問われた瞬間でした。

何度も小林さんのもとに通い、米作りへのこだわりを学ぶうちに、小林さんの態度が変わりました。「何でも初めてはある。試しに使ってみよう」と、リスクを承知で2反(約2,000平方メートル)の田んぼを試験用に提供してくれたのです。

6月のある日、嬉しそうな文面のメールが届きました。「試験中の圃場でカゲロウが羽化する瞬間を見ることができた」という内容で、写真が添えられていました。

地域でいち早く有機栽培に取り組んできた小林さんの並々ならぬ自然への思いが、興奮してぶれた写真に表れていました。この人に出会えてよかった—思わず胸が熱くなりました。

有機圃場のかげろう

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